「死んでも再び生まれ変わる」の天国と地獄-ボリウッド映画「恋する輪廻」と演劇女子部ミュージカル「LILIUM」
こんばんは。
割と懲りずに自分の好きなことについてだけ書いてます。
日記の形式はあまりとっていないので、
なかなか思ったようにまとまらずに毎度苦労しておりますが、
どうか今回もお付き合いくださいませー
インドに行くからには準備をしなければと、
遠藤周作『深い河』を読んでみたりはしたんですが
せっかくだからインド映画も観ておくか!と
先週ゲオで借りて一本ボリウッド映画を見ました。
去年?元町映画館でも公開されていた
「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」です。
本題に触れる前にしょうもないことを一つ。
ボリウッド映画、つまりインド映画と言えば…ですよ。
「あいつらすぐ歌って踊るやんw!」
の、アレです。
正直今までボリウッド映画って大学の講義で一本観たことしかなかったのですが、
それでもなんとなく知っていることといえば突然なんか全員歌って踊る。
そのイメージだけ持ってたとき観て大爆笑したやつ↓
細かすぎて伝わらないモノマネ インドのB級映画 - YouTube
…ちょっと、今日貼る動画どれも別に観なくても全然いいけどこれだけは見た方がいいよwwwwwしょーもないwwwww
…さて、しょーもない話は置いといて本題。
この映画、タイトルにも入ってますが「輪廻」が一番大きなキーワードです。
ずばり、キャッチコピーは
「何度生まれ変わっても、また君に恋をする」
あらすじ<ウィキペディア>
主人公のオーム・プラカージュと友人のパップーはボンベイで活動している脇役俳優。ある日、炎に巻かれるシーンの撮影中の事故で逃げ遅れたスター女優のシャンティプリヤをオームが助けたことで二人は友人となる。その後も交流を続け二人の仲は深まっていったのだが、実はシャンティは映画プロデューサーのムケーシュと秘密裏に結婚していた。シャンティはこの事実を公表したがっていたが、映画界での成功を狙うムケーシュはこれを疎ましく感じ、遂にはシャンティを事故に見せかけて焼き殺そうとする。その場に偶然居合わせたオームは彼女を助けようとしたが逆に一緒に命を落としてしまう。
それから30年後、ボンベイではオーム・カプールという若手俳優が大人気スターとなっていた。それはオーム・プラカージュの生まれ変わりの姿だった。
まあ要するにですね、
前世では売れない俳優、売れっ子の美人女優が一度は親しくなるものの
なんやかんやあって二人とも悪い男に焼かれてしまう。
ところが、
現世では売れっ子俳優、新人の女優となって二人は生まれ変わり
再び仲を深め、かつ年老いてちゃっかり成功してる悪い男をこらしめよう!
…的な話です。ガッツリネタバレしてますけどすいません。
まあ、歌もダンスもとっても豪華で観てて楽しいので
展開分かってても十分楽しめると思います。
さっきも言いましたがこの映画のテーマは「輪廻」。
一度死んだ人が再び世に「生まれかわる」。
このことがそれはもう煌びやかに、
これでもかというくらい華やかに描かれているんですね。
時間あったらこれも観てほしいんですが、
これは売れっ子俳優として生まれ変わった主人公のオーム(↓こいつ)が、
かつて自分たちを殺した男(↓この人は生まれ変わってない。自分は生き残って、主人公が再び生まれて銀幕に出てくるまでの30年の間にハリウッドで成功した)に
復讐を開始するという予感を感じさせるパーティのシーンです。
もうね、何回も言うけどめっちゃ豪華絢爛!
「生まれかわってもう一度彼女と恋ができるなんて最高!」
「生まれかわってアイツに仕返しちゃうぞーー!!!」
みたいな感じのテンション。
あ、ちなみにその相手の女優さんがめちゃくちゃ可愛いのでこの子も写真貼っておきます。
…という、いわば
「輪廻最高!!!!」
っていうとてもエンターテイメント要素たっぷりの映画だったわけです。
が。
私がなぜここでさっきからこの
「生まれかわれて最高!」にやけにつっかかってるかというと、
今週、このボリウッド映画とは正反対の
「生まれかわっても生きるくらいだったら死んだ方がまし!」
という主張の作品を観てしまったからです。
それがこれ。
演劇女子部 ミュージカル「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」 [DVD]
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演劇女子部ミュージカル「LILIUMーリリウム 少女純潔歌劇ー」
です。
私のツイッターをフォローしている方は皆、
最近私がひたすら「リリウム」だとか「繭期」だとか言ってるので
早い段階でうっとしいと思われてる方も沢山いるかと思いますが、
だってもうね、やばいんだもんこれ!!!!!!!
(※今日のブログはフォントいじりを多用しております)
アイドルの出てる舞台だし…と舐めてかかってたら
どえらい内容で、もともとモー娘。が好きだというのを差し引いても
とても感動してしまいました。
リリウムについては、またいつかしっかり書きたいと思ってるので
今日はほんの少しだけ触れることにします。
■あらすじ■
雨降る森のサナトリウム。
吸血種の少女たちが療養するその施設で、シルベチカという少女が失踪を遂げる。
友人であったリリーは消えたシルベチカの行方を探すが
サナトリウムの少女たちは誰もシルベチカを覚えていないと言う。
果たして彼女は本当にいたのか?それともリリーの妄想だったのか?
まるで醒めない夢の中のような幻惑に取り込まれるリリー。
少女失踪の謎が解き明かされ る時
リリーたちの残酷な運命が浮かび上がっていく。
少女ヴァンパイアたちの織りなす、幻想的ゴシック・ミュージカルが幕を開ける。
“幻想的ゴシック・ミュージカル”とあるように、
アイドルらしい普段の華やかさとは遠く離れたビジュアルイメージです。
「吸血種」「残酷な運命」「少女ヴァンパイア」などの単語が出てくるので
なんとなく世界観も伝わるかと思います。
こちらに関してはネタバレしないように書きますが、
ともかくこの舞台は「不老不死=死んでもまた生き返る」という現象が
死を恐れる人々が渇望するほど絶対的なものである一方で、
「終わりのある一瞬の生」だからこそ儚くて美しい、という価値観の世界です。
「―永遠に咲く花は無い。
どれだけ美しく咲いた花も、いつか朽ちて枯れ果てる」
このセリフは、クライマックスの
とにかく狂気じみていて、なおかつ猛烈に悲しいシーンにあります。
「永遠の生=輪廻なんてくそくらえだ!」
そんな主人公の渾身の主張がビシビシ伝わってきたリリウムです。
リリウムについてはまだまだ全然思ったこと書ききれてないですが、
とにかく最近視聴した二つの作品は、
共通する「死んでも再び生まれ変わる」というテーマに対して
真逆の主張を感じ取れたという個人的に面白い体験でした。という話。
では明日が早いので今日はこの辺で。
追記1
「恋する輪廻」の方の「生まれかわる」は、永遠に死んでも生き続けるわけではないだろうし、現世を生きた人間が別の人物として来世に生まれるという意味の輪廻だと思うので、リリウムの方の「永遠の生」と結びつけて語るには強引だったかもしれません…。
追記2
そういえば昨日紹介した遠藤周作『深い河』の業をもった日本人観光客の一人、磯部も妻の「世界のどこかでまた生まれかわるから、どうか私を探して」という遺言の答えを求めてインドに赴きまいていましたね。それとの関連もちょっと触れたらよかった…。